第二種電気工事士合格記

今更ながらと言われつつ、ようやく動きだし。
始まり  高校は電気科ではありませんでしたので、同級生とは違う方向に進みつつありました。
 無線従事者として職を得ましたが、新規に設備を設置する場合は電気工事は業者に発注するため必要がなく、そのまま数十年が過ぎました。
 仕事に幅を持たせるため、無線以外の勉強を行う中で、諸々の機器を設置する際に、電源コンセントが近くにないと、テーブルタップを使用することしかできず、抜ける可能性があり、危険だと感じ、できれば近くにコンセントを増設できた方がいいと感じていました。

次の課題として  平成25年に長年の課題でした第一級陸上無線技術士、甲種危険物取扱者に続き、二級ボイラー技士が立て続けに決着しましたので、次の課題の一つとして、電源を引けるようにしようと決めました。

鈍いながら始動  平成26年3月下旬に、何気なくインターネットで検索していると、電気工事士もネット申請が可能で、且つ、まもなく申込が始まることが判りました。
 そうはいっても実技試験はあるし、今まで経験していないビリビリする交流の分野ですので、数日間躊躇しましたが、思い切って申請しました。
 申請してしまうと少しずつ気が入るもので、本屋へ行って問題集を品定め。
 どういう問題集が良いのか分からないまま今年版というもので筆記と実技の両方が掲載されているものにしました。

勉強開始  試験まで2ヶ月間、電気の基礎、法令はこれまでの経験から常識問題と考え、従事範囲を憶えて終了し、始めての分野の記号、部品の規格、そして交流の力率に係る部分をやりますが、なかなか染みこみません。
 家では邪念が多いため、奈良にきて始めて図書館に行ってみました。
 すると、社会人席も多くあり、静かでいい感じでしたので、少しはかどり、予想問題は全てこなすことができました。
 その後、昨年、一昨年の既出問題を解いてみましたら悲惨な状態。
 慌ててやり直しましたが、既出問題の解説が載っておらず、理解に時間がかかりました。

筆記試験  6月1日、不安な状態で始めての受験へ行きました。
 駅から試験会場までの道では、受験者らしい人たちが大勢歩いていましたが、気にしている暇はなく、さっさと会場に入り、最後のあがきをやりました。
 時間いっぱい粘って退室しました。

自己採点  他の資格試験と比較して最速、翌日に問題と解答が公開されましたので、持ち帰った問題で自己採点してみました。
 引っかけ問題にはしっかり引っかかっておりギリギリ合格の様子ですが、記入ミスがあると不に転じるほど余裕がありません。

工具発注  筆記試験の結果発表を待ってからでは練習の時間がありませんので、不安ながらも実技試験用の工具を発注しました。
 ホームセンターでバラで買おうと見に行きましたが、置いていないものもあり、また、高価のため、ネットで検索すると、試験対応のセットが安く売られていましたので、通販で買いました。

 工具が届き、ホームセンターでリングスリーブやVVFケーブル等を買い、練習に入りました。
 これまでの経験もありますので、今度は飲みながらでも大丈夫。

筆記の結果  6月30日に筆記試験の合格者がインターネットで発表されました。
 人数が多いためか、一覧で表示されるのではなく、受験番号を入力して照会するもの。
 恐る恐る入力して照会すると、受験番号が合格者の一覧にあるとの表示。
 自己採点でギリギリだっただけに冷や汗をかきました。
 次は7月27日の実技試験に向けて準備します。

実技試験  7月27日、実技試験を受けました。
 会場までは2Km強で、バスのルートはありますが、中途半端ですので歩きました。
 会場に近づくにつれて、工具を入れていると思われるリュックを背負った人が多く見られるようになりました。
 会場に入って少し経つと説明が始まりました。
 採点用のマークシート用紙、裏返しの問題用紙、そして1人1セットの材料が入った箱が配付され、定刻に開始。
 複線図への書き換えは練習の成果からすぐに終わりましたが、緊張から最初のVVFケーブルの採寸を間違って短く切断してしまいました。
 すぐに気づいたものの、もう戻せませんので、そのまま続行。
 以後は機器に接続してから採寸して切断することで順調に進み、のの字曲げや他の機器の取付は難なくこなして時間内に終了しました。
 隣の高校生の作品と比較しても同等と感じつつも、最初の短く切断したケーブルが気になります。

 心配しつつ退室して帰りました。

回答公開  翌日、協会のインターネットサイトで問題と回答が公開されました。
 回答には注意点が記されていますが、気にかけていましたのでそこはクリア、しかし、今になって気づいた開閉器に見立てた端子台に極性を示すN,Lの表示。
 Nはアース側で白、Lはプラス側で黒を接続するのですが、その記憶がありません。
 こればかりはもうどうしようもありませんので、結果発表を待つのみとなりました。

 もし駄目なら来年再受験ですが、今回の教訓は忘れないことでしょう。

結果  9月14日に結果通知が届きましたが、結果は不合格。
 やはり試験当日に気づいた寸法が足りなさすぎた部分が失格行為だと推測しています。
 これまでの様々な実技試験も最初はこんなものが多いのですが、今回も敗因は分かっていますので、来年はうまくやりたいと思います。

リベンジ  今年の公表問題を見ると、昨年出題された問題と同じ回路がありました。
 今年は某社から出ているDVD付きの実技問題集を購入し、お手本を見ながらイメージトレーニングし、まさか2年連続で同じ問題は出ないだろうから残りの12問に集中して複線図を練習し、慣れたところで昨年と同様の問題もこなしました。
 複線図に慣れたところで結線の練習に入り、まずまず馴染みました。


 平成27年7月26日にリトライしました。
 会場は昨年学科試験を受けた帝塚山大学東生駒キャンパス、徒歩と電車で所用40分程度でした。
 場所は迷うことはないものの、早めに行って一息ついて会場に入りました。
 昨年の実技試験会場では、若い人が多かったのですが、今年はなんだか年齢層が高く、受験票を見ると、学科免除の人が多く感じられましたので、やはり年配者は昨年の実技試験で失敗した人が多いものと考えます。

 試験問題が配られ、注意書きを読みつつ、部品一覧を見て問題を推測すると、どうも昨年失敗した問題しか思い浮かびません。

 試験官の始めの合図で問題を開きましたら、やはり昨年と同じ回路で線種と長さが違うもの。
 昨年と同じ失敗はしないように器具の配線から慎重に作業を進めてジョイント部分の結線を行いましたら終了10分前に完成しました。

 体裁を整えて時間終了。
 待ち時間で隣の人の作品と見比べると、配線の色、形が同じでしたので一安心して退室しました。

いよいよの結果  平成27年9月4日 試験実施機関のホームページ上で合否の照会ができるようになりましたので、恐る恐る照会してみましたら、私の受験番号は合格者一覧にあるとの表示。
 無事に合格したようです。
 電気工事士の試験は年1回で、学科の科目合格の有効期限は1年しかありませんので、今回失敗すると学科の合格がリセットされるという崖っぷちに立たされていました。

 指定の日に免許申請を行い継ぎに備えます。

次へ  第二種電気工事士は、一般家庭を対象にした、一般電気工作物の工事にしか従事ができません。
 事業所や役所等を対象とした自家用電気工作物の工事には第一種電気工事士の資格が必要なのですが、認定電気工事従事者の講習を修了して認定されれば、600V以下の自家用電気工作物の簡易な工事に従事することができますので、本年度中に受講することにします。



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